植物ホルモンで種無しバナナを作ろう。
食べてみた日の日記に飛ぶ「種無しバナナができました。」
目的:
ベルチナバナナを用いて、未受粉の雌花を植物ホルモン処理を行って結実させ、種無しバナナを収穫する。
ベルチナは春に吸い芽が出て秋には収穫できるので、誰でも自家製種無しバナナが食べられる。
最終的にはバショウの種無しバナナを作成する。
バショウは1本しか開花しないと結実しない。そのため、たくさん植えないと結実が望めない。
ホルモン処理で結実できれば、1本でも実の成長が楽しめるとともに、熟せば種無しバナナとしておいしく食べられる。
使用薬剤:
トマトトーン(石原産業株式会社)
有効成分 パラクロロフェノキシ酢酸(4-CPA)・・・・・・ 0.15%
その他の成分 溶剤及び水 ・・・・・・ 99.85%
STジベラ錠5(住化タケダ園芸株式会社)
有効成分 ジベレリン ・・・・・・・・ 2.78%
その他の成分 ふ形剤等 ・・・・・・・ 97.22%
この2剤を選んだ理由
1.だれでも園芸店で容易に入手できる。野菜や果実に使用が認められていて、家庭園芸で使えるほど安全性が高い。
2.一般的に1つの果実の中に種子が多い植物は4-CPAなどのオーキシンが、種子の少ないものはジベレリンが結実に有効とされている。併用も行われる。
薬剤の希釈と噴霧方法:
4-CPA液 (4週間程度は使用できるらしい)
水で5倍に希釈する。
4-CPA濃度 0.03%
ジベレリン+4-CPA液 (ジベレリンは溶解当日しか使用できないらしい)
トマトトーン5倍希釈液25mlに1錠を溶解する。
4-CPA濃度 0.03%
ジベレリン濃度 0.02%
この希釈率を用いた理由
1.薬剤の添付文書のメロンの場合を参考とした。
2.雌花の状態で、赤ちゃんバナナが、赤ちゃんメロンよりも大きいため、メロンと同程度に濃度が高いほうが適していると考えた。
3.勘です。
噴霧器具
容量30mlの手の消毒用のアルコールスプレーの容器をよく洗って転用した。
植物ホルモン処理の方法:
開花した雌花の主に赤ちゃんバナナの部分に4-CPA液を噴霧。
A:噴霧回数は1花につき2回〜3回。これを、開花当日および翌日の2回行う。
B:噴霧回数は1花につき1回〜2回。これを、開花当日のみ行う。
開花した雌花の花弁を半分ほどの長さで切り、めしべを露出させる。
C:花と赤ちゃんバナナの部分にそれぞれ4-CPA液を1回〜2回噴霧する。噴霧は開花当日のみ
D:花と赤ちゃんバナナの部分にそれぞれジベレリン+4-CPA液を1回〜2回噴霧する。噴霧は開花当日のみ
E:主に花の部分にジベレリン+4-CPA液を1回〜2回噴霧する。噴霧は開花当日のみ。
株@
株@は1段目は無処理、2段目以降はA法ですべて処理した。(ただし、1段目は1花しかなかった)
雄花は切断した。
株A
株Aは、すべてB法で処理した。雄花は切断した。
株B
株Bは、1段目はC法で、2段目はD法で、3段目はE法で処理した。4段目以降の雌花は無処理。
雄花は切断の予定。
結果
株@
2008/8/3
1段目と2段目の雌花が咲きました。1段目は←部分で、1花のみ。開花当日と翌日にホルモン処理しました。

おしべの写真です。花粉は無いように見えます。


2008/8/9
雌花がすべて咲き、雄花が咲き始めています。花序が傾いています。
バナナ(実)に成長が見られます。例年なら未受粉のために成長しません。

やや下から撮影しました。

1段目のバナナはホルモン処理していないので成長していません。もしかしたら雌花としても未熟だったのかもしれません。

別方向から撮影しました。

2008/08/13
雄花は取り去りました。

2段目をアップで撮影

1段目はその後も成長しません。

2008/8/15
通常なら黒く枯れてしまう花弁とめしべがみずみずしいままついています。4-CPAの影響だと思います。
ここには写っていませんが、各段の花を包んでいる大きな赤い花びらのような「ほう」も4-CPAの影響か、外れにくいようです。

1段目の成長はありません。

2008/8/23
変化が目立たなくなってきたように思います。花弁は枯れてきました
果肉が成長してきた様子はあまり感じられません。

角度を変えて下から撮影しました。

2008/8/31
成長している様子がありません。
矢印の実の先端が黒くなってきたので、取って輪切りにしてみました。

輪切りにしたところ。果肉の成長がありません。4-CPAの処理では難しいのかも。(種子も未熟なままです)

2008/9/28
あまり変わった様子は無いように見えますが、反対側から撮った写真を見ると。

実の先端から黒くかびてきたような、腐ってきたような、危険な状態です。実が熟すところまでいけるかどうか。

2008/10/11
先端から腐ってきているなあと思っていたら、実が2つはじけていました!!中に食べる部分が見えます!

ちょっと剥いてみると、小さいながらも食べる部分が入っています。

はじけていた実を2つ収穫しました。皮を剥いてみると中から見慣れた食べる部分が出てきました。

取り出してみました。先端が黒くなってしまっていますが、それ以外はきれいです。

種無しになっているかどうか切ってみました。未熟なタネの痕跡が見えますが、ちゃんと種無しバナナになっています!

実は小さいです。
食べてみました。・・・・・甘みが少ない。香りが少ない。少し渋い。でも食感はバナナ。
もともと食用バナナではないので、食用バナナのような甘みと香りを期待してはいけないのかもしれませんが、
まだまだスタートラインといった味でした。
結実させたバナナの数も多すぎました。植物ホルモンで無理?に結実させているので、もっと実の数を少なくしておけば、もうすこし甘く、大きくなったかもしれません。
でも、本来は受精した種子がホルモンを出して周囲の果肉を成長させているのに、種無しにしているわけですから、簡単にはいかなくても当たり前だと思います。
今後は、ホルモンの種類や濃度、処理の回数などを検討していけば、そこそこのバナナになる可能性はあると思います。
とにかく、実が多すぎたのはマイナスだったと思います。
まだ、はじけていない実もあるので、そちらにも期待したいと思います。
バショウが咲けば、ぜひやってみたいと思います。興味のある方はチャレンジしてみてください。
2008/10/19
まだはじけていない実を2つ食べてみました。このまえよりも少し大きかったのですが、渋みが後口に残りました。甘みは少し多かったように感じました。
株A
2008/8/3
1段目の雌花が咲きました。開花当日にホルモン処理しました。

2008/8/9
雌花がすべて咲き、雄花が咲き始めました。

別方向から撮影しました。

2008/8/13
2段目の様子です

2008/8/15
バナナの内部の様子を確認するため、2段目のバナナを1つ取りました。

中央付近で斜めに切断しました。

切断面の拡大した写真です。コントラストを上げてあります。
果肉部分はあまり成長が無いように見えます。4-CPAだけでは果肉の成長が始まらないのでしょうか。
皮の部分は成長しているようです。そのために三角形の断面になっているようです。
種子の赤ちゃんが見えますが、受粉していないと思うので、種子が未熟なままでいてくれれば種無しバナナになります。

2008/8/23
8/15よりは成長しているようです。花弁が枯れてきました。

角度を変えて横から撮影しました。実によって成長がまちまちですね。

2008/8/31
こちらも、成長している様子がありません。4-CPAの効果は何ヶ月も続かないのかもしれません。
適当な時期に再処理するほうがいいのかも。

2008/9/28
その後目立った成長はありません。先端の小さな実が黒くしなびてしまいました。カビのような感じです。

10/19
すべて実の部分が上のほうからかびて来て、結局味見の前に、はじけることなく全部の実が枯れてしまいました。
株B
2008/8/13
1段目が開花しました。開花当日に花弁を切って、C法で処理を行いました。

雌花の様子を方向を変えて撮影しました。

2008/8/15
2段目と3段目が開花しました。2段目はD法で、3段目はE法で処理を行いました。
ジベレリンにより、果肉の成長が促進されると成功です。

2008/8/17
4段目と5段目が開花しました。4段目以降は無処理とする予定です。
2008/8/23
1段目、2段目が成長しています。この写真では3段目はよく見えません。
4段目以降も少し大きくなっているように思います。受粉しているのかも知れません。

反対側から撮影しました。3段目が写っています。

2008/8/31
あまり変わった様子はありません。どうしたら果肉が育つのだろう。

2008/9/28
実の先端付近が黒くカビ?てきました。このままでは熟す前にだめになるかも。

2008/10/11
カビ?がやや進んできました。とりあえず、ジベレリンを加えたことによる劇的な効果はなさそうです。

考察
4-CPA液を水で5倍に希釈した液(0.03%)を開花当日と翌日に花と赤ちゃんバナナに噴霧する方法で、とりあえずは種無しバナナができそうです。
今回はしませんでしたが、実の成長が落ち着いてきたころに追加で噴霧すればさらに大きくなった可能性はあります。
ひとつの花序にたくさん実をつけないで、1段から2段くらいにして、その先は切ってしまっていれば、栄養が集中してもう少し大きな実が出来ていたと思います。