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甘蕉の甘いって、何が甘いの
バナナのことを甘蕉といいます。
この甘蕉という言葉は1000年以上前から中国で使われています。その実が甘くて食用になるので、甘蕉といわれます。
ところが、牧野氏の著書の一部に
李時珍が曹叔雅(そうしゅくが)の『異物志(いぶつし)』を引き「芭蕉。実ヲ結ブ其皮赤クシテ火ノ如シ[牧野いう、これは花穂の赤い苞をいったものでなければならない]其肉甜クシテ蜜ノ如シ、四五枚ニテ人ヲ飽シムベシ、而シテ滋味常ニ牙歯ノ間ニ在リ、故ニ甘蕉ト名ヅク」とあって、芭蕉と甘蕉とが同じ物であることを明示している。
とあります。この漢文自体は本草綱目にも引用されていますので、「芭蕉あれこれ」の「本草綱目」から見にいけます。甘蕉の項のはじめの方に書いています。
これが甘蕉の名のいわれとされていますが、これだと芭蕉の花序を果実と勘違いして、花序の中の花の蜜が甘いために、果実が甘いのだと誤解して、甘蕉と名づけられたことになりますね。確かに実が甘いからという理由はそのとおりですが、なんか・・・・・。
芭蕉(バナナ)の花の蜜が甘いという情報と、実が甘いという情報とがごっちゃになっているようにも感じますね。
また、本草綱目の甘蕉の挿絵が、ベルチナバナナかその近縁種のように見えます。仮にベルチナバナナなら、果実が「その皮赤くして火の如し」とあっても、間違いではないですね。ベルチナバナナの果実の皮は赤く、果実は完熟すれば甘いですから。タネがいっぱいだけど。でも「四五枚に」の部分が合わないですが・・・。無理して読めば4〜5本のバナナということかな?